絵本を選ぶ際、有名な賞を受賞した優秀な作品かどうかは、一つの選択基準になり得ます。
今回は、世界の主な絵本に関する賞をまとめて紹介します。
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コールデコット賞
世界的に有名な賞と言えば、アメリカで最も権威のある賞の一つである「コールデコット賞」が挙げられます。
イギリスのイラストレーター、ランドルフ・コールデコットにちなんで名付けられています。
コールデコット賞を受賞した作品には、コールデコット賞メダル(Caldecott Medal)が、次点の作品には、コールデコット・オナー(Caldecott Honor Book)と呼ばれる表彰がされます。
コールデコット賞メダルは、毎年1作品のみ、コールデコット賞・オナーは複数作品が受賞します。
コールデコット賞の受賞基準で特長的な点は、下記の2点です。
基本的には、アメリカの中の絵本賞と言えます。
■前年にアメリカで出版された英語の絵本であること
■イラストレーターがアメリカ市民、もしくは居住者であること
ウィキペディアには、下記のように説明されています。
コールデコット賞(コールデコットしょう、英: Caldecott Medal)は、アメリカ図書館協会の下部組織である児童図書館協会(英語版)(ALSC)が、アメリカ合衆国でその年に出版された最も優れた子ども向け絵本に毎年授与している賞(メダル)である。19世紀イギリスのイラストレーター、ランドルフ・コールデコットを記念して名付けられた。ニューベリー賞と並んで、アメリカで最も権威のある児童書の賞である[要出典]。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィキペディアで歴代の受賞作品を確認する場合はこちら。
ニューベリー賞
コールデコット賞と並び、アメリカの児童書で権威のある賞が「ニューベリー賞」。
賞の名称は、18世紀の児童書出版者であるジョン・ニューベリーの名から来ています。
こちらも、ニューベリー賞メダル(Newbery Medal)が毎年1作品、ニューベリー賞オナー(Newbery Honor Book)が複数作品受賞します。
ニューベリー賞の受賞基準も、コールデコット賞とほとんど同じです。
■前年にアメリカで出版された英語の絵本であること
■イラストレーターがアメリカ市民、もしくは居住者であること
ウィキペディアには、下記のように説明されています。
ジョン・ニューベリー賞(The John Newbery Medal)は、例年、アメリカ合衆国における最も優れた児童文学の著者に与えられる賞である。アメリカ図書館協会の下位組織であるAssociation for Library Service to Children(児童図書館協会)が運営している。1922年に開始された、世界で最も古い児童文学賞である[1]。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
歴代の受賞作品はこちらでご確認頂けます。
アメリカに同じような児童書の権威のある賞が2つあり、どちらもとても名誉な賞であるという理解をしておけば良いかと思います。
ケイト・グリーナウェイ賞
イギリスの権威のある児童書の賞が、「ケイト・グリーナウェイ賞」です。
19世紀の英国の児童書作家、ケイト・グリーナウェイ(1846–1901)にちなんで名付けられています。
候補の主な条件は、前年の9月からの一年間(9月から8月)の間にイギリスで出版された英語の本であることです。
アメリカのコールデコット賞、ニューベリー賞に対して、イギリスは、ケイト・グリーナウェイ賞という位置づけで認識してもらえれば良いかと思います。
ケイト・グリーナウェイ賞(ケイト・グリーナウェイしょう、Kate Greenaway Medal)は、イギリスの絵本作家ケイト・グリーナウェイにちなんで1956年に英国図書館協会によって設立された賞。1年間にイギリスで出版された絵本のうち、特に優れたものの画家に対して贈られる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
歴代の受賞作品はこちらでご確認頂けます。
フェニックス絵本賞
1985年にアメリカの児童文学協会によってフェニックス賞(児童書が対象)が創設されました。
その後、2013年から絵本を対象としてフェニックス絵本賞(Phoenix Picture Book Award)が創設されました。
このフェニックス絵本賞は、20年前に出版された作品を対象としているとてもユニークな賞です。
過去に出版され、当時賞を受賞しなかった作品でも、その後高い評価を得て現在にも読み継がれている素晴らしい絵本が世の中にはたくさんあります。こういった作品を対象に表彰しています。
そういった意味では、長い間、世界の人々に親しまれてきた素晴らしい作品に対して贈られているため、フェニックス絵本賞を受賞した作品は、名作だと言えるかもしれません。
こちらも、毎年フェニックス絵本賞が1作品、次点にあたるHonor賞が1作品、もしくは複数作品選ばれています。
歴代の受賞作品はこちらでご確認頂けます。
国際アンデルセン賞
1956年に創設された国際的な賞。第3回(1960年)までは、一つの作品に対して賞が授与されていました。
しかしそれ以降は、作品に対してではなく、作家に対して、「作家賞」「画家賞」(1966年創設)が贈られるようになっています。
国際アンデルセン賞は、毎年ではなく、隔年で作家賞、画家賞、それぞれ一名ずつが選ばれます。
受賞者は毎年3月または4月に開催される、ボローニャ児童図書展で発表されます。
賞の名前は、「人魚姫」で有名なデンマークの児童文学者である、ハンス・クリスチャン・アンデルセンにちなんだ名前となっています。
日本でも受賞された作家さんがいます。
1994年 作家賞:まど・みちおさん(童謡にもなっている「やぎさんゆうびん」「ぞうさん」「ふしぎなポケット」の作者)
2014年 作家賞:上橋菜穂子さん(「守り人」シリーズ、「鹿の王」など)
2018年 作家賞:角野栄子さん(「魔女の宅急便」など)
国際アンデルセン賞(こくさいアンデルセンしょう、英: Hans Christian Andersen Award)は、「児童文学への永続的な寄与」に対する表彰として贈られる国際的な賞。「小さなノーベル賞」とも呼ばれるほどの影響力を持つ。賞の名称はデンマークの高名な児童文学者ハンス・クリスチャン・アンデルセンにちなむ。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
歴代の受賞者はこちらでご確認頂けます。
アストリッド・リンドグレーン記念文学賞
スウェーデンの児童文学賞がこの「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」です。
スウェーデンの児童文学作家である、アストリッド・リンドグレーンを記念し、2002年に創設された比較的新しい賞です。
こちらの賞も特定の作品に対してではなく、毎年1人以上の作家もしくは団体に対して贈られます。
こちらの賞もボローニャ児童図書展で発表されます。
2005年には、日本の絵本作家、荒井良二さんが受賞しています。
歴代の受賞者はこちらでご確認頂けます。
ボローニャ国際児童図書賞(ボローニャ・ラガッツィ賞)
世界最大規模のブックフェア「ボローニャ国際児童図書展」は、毎年春にイタリアのボローニャで開催されています。
1964年に創設された、世界で最も歴史の長いこのブックフェアでは、主に出版社やイラストレーターなどのために開かれています。
このブックフェアでは、上述の「国際アンデルセン賞」、「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」にもいくつかの賞が発表されます。
「ボローニャ国際児童図書賞」(ボローニャ・ラガッツィ賞)は、その中の一つで、このブックフェアに出展した出版社の作品を対象に選出されています。
歴代の受賞作品はこちらでご確認頂けます。
海外の有名な絵本の賞を受賞している作品、作家さんを参考に、あなたのお気に入りの一冊が見つかることを祈っています。
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